この世界は何なのか聞いてみても大丈夫だろうか。


「……あ、あの聞いてもいいですか」


「ん?」


「このー!」


何かを聞こうとした時ようやくして音楽が止まった。


「あー終わったようだな。でも、もう少し待った方がいいのかもな、君はね。俺は別に大丈夫だけど」


「?」


「何にも分かってない顔だな」


すると、突然ソファから立ち上がり私の隣に座り込む。


「!?…えっ」


「免疫とか経験なくても多少は分かるでしょ。多少の知識はあるだろ?」


「あ…」


(そういう事か…それはちょっと嫌だ)



「そろそろ大丈夫か。まあ、どうせこの宴も終わりだしな」


「!…そうなの?」


「うん、そもそもこの宴はこの為だけの宴だしな。本当に意味がわからんけど」


(その為だけ…)



つまりそういう事なんだろう。


「……どうしてそんな宴が催されるのかな」


私には理解し難い事だけど。


「承認した奴らは相当変態なんじゃないのか」


なんだかとても適当な言い方に聞こえる。


「そう……避妊とかしてるのかな」


「してないよ、酔ってるから。まあ、後で薬でも飲むんじゃない? 後、簡単に孕まないから安心して。
獣人は何回かしないとダメだから、まあなる人もいるんじゃない?」


「そっかあ」


(獣人…)


獣人という言葉に引っかかるけど、この世界ではこういう事をしても問題にならいんだ。



「ほら、もう大丈夫そうだろ」


「あ…本当だ」


部屋の外に出ると何もなかったかのように元通りになっていて、匂いも消えていた。


「じゃあな、気を付けてね。終わった後」


「えっ」


そう言い彼はまた部屋に戻っていった。


(どういう事?)


「?」


(なんだかここに来てから、怖い事と分からない事ばかりだ)


そもそもこれは夢ではないのは確かな筈なんだけど、心の底では夢であってほしいと願っている私がいる。