「……な、なにここ」


宴?の会場に連れてきてくれたのはいいけど、端から見ても宮廷みたいな会場なのはなんだろう。


「招待状を」


「えっあ…はい」


受付の人に招待状を渡し中を確認をする。


「………」


今回は花吹雪が出なかった。


(あれは私が開けたからなのかな)


「どうぞ、お気をつけて」


「えっあ…はい」


(お気をつけて?)


普通に通されたはいいけど、気に掛かる一言を言われた気がした。


「それじゃあ、私はこれでね」


「えっ」


「大丈夫よ。気軽に楽しめば。まあ、多少は気をつけてね」


(また、気をつけて…何から?)


いったい何から気をつけろっと言うのだろうか。


お姉さんはそのまま奥の方へと消えていった。


「………」


(なんだろう…妙な違和感が)


「?」


やっぱり気のせいではない。


「!?」


(耳が生えてる…尻尾もある)


あれ、でもケモ耳だけだったり人間の耳もあったり、完全に獣人のもいたりする。


(って獣人!? えっえっ)



どういう事?


どういう事!?


ここってまさか……本物?


(いやいや、まさかね…獣人なんている訳ないよ)


これはそういうコスプレパーティーなんだろう。


「……コスプレじゃない」


今、獣人ぽいコスプレしている人が口を開けたけど、牙が4つ付いてた。


(嘘でしょ…これ本当に夢とかじゃないの?)


現実味ありすぎるし、おかしいとは薄々気付いていたけど、よりよって獣人ってそれはない。


「どうしよう…出れないのかな、ここから」


そんな事を思って辺りを見渡した。


「……」



ふとある猫耳を付いた男性に目が入った。


(すごく綺麗な人)


グレーの髪にうっすら青のメッシュが入ってて、瞳は澄んだ綺麗な水色に近いアクアブルーの瞳をしていた。


(ロシアンブルーみたい)


綺麗すぎて少し近寄りづらい感じだ。