「うん、ぴったりね。よかったわ」


「……」


びっくりする程にぴったりだ。


やっぱり衣装も中華ぽい。


でも、チャイナドレスともまた違った感じの、漢服って言うんだっけこういうの。


スカートがチュールみたいにヒラヒラなっててかわいい。


「うん、いい感じね。終わったら声掛けるわね」


「えっあ、はい」


「髪の毛はどうしようかしら。
…うん、こんな感じかな。どう? 素敵でしょ」


鏡を見ると後ろはツインのハーフお団子ヘアにリボンがくくられていた。


「かわいい」


「でしょー」


全体で見てもドレスも髪型もすごく可愛かった。


服と髪だけだが。


「あ、言い忘れてた。招待状持ってるよね」


「招待状?」


「鞄に入ってるんじゃない?」


そう言われて、トートバックを開けると封筒らしき物が入っていた。


「!」


その封筒は私に送られてきた謎の招待状だった。


(なんでこれが…)


「さあ、宴に案内してあげる」


それよりも、この人はどうしてこんなにも親切にしてくださるのだろうか。


「あ、あの…」


「ん?」


「そのなんでこんなに良くしてくれるんですか?」


「ああ、そうよね…気になるよね。
まあ…そうね…一言で言えば親切心かな。それと、頼まれたからね」


「頼まれた?」


「ある人にね。
…それとあなたにとって大切な方とね」


「?」


(誰に?)


よく分からない言葉に疑問しかなかった。



やっぱりこれは夢じゃないのかもしれない。


でも、どういう事なのだろう。


本当に意味が分からない。