「……へー。」


 心は、自分で聞いてきたくせに興味がなさそうに返事をした。

 そのリアクションにまた傷ついちゃってる自分が、バカみたいに思えてくる。


「……」


 なにか言わなきゃって思った時、心がおもむろに身を屈めた。

 そして何かを手にして身を起こす。

 
「……!」

「はい」

 
 心の手にのる、太陽。

 ハッと自分の胸元に手を伸ばすと、月のモチーフだけがついていた。


「大事なもの、落としすぎ」


 太陽をよく見ると、太陽のチェーンに通すリング部分が緩くなって隙間ができていた。

 心は私の手を取って、下から自分の手を添えて太陽をのせる。


「……ペンチで怪我しないでよ」


 その優しい手つきは、奇しくもネックレスを直してもらった時と同じだった。