ぽた、ぽた

大きな瞳から大粒の涙が何粒も零れる。

「あれ、なんで泣いてるんだろ」

「分かってたことなのに」

「話してくれてありがとう。もう一人じゃないからね」

抱きしめた途端、私の制服に涙が落ちる。

「本当は、ずっと辛かった。誰にも病気のこと言えなくって、一人で抱え込んでた。毎日不安で押し潰されそうだった」

「うん。辛かったよね。気づいてあげられなくてごめん」

「ううん。百合はなんにも悪くない」

「だから、泣かないでよ」

「ういはこそ。泣くなんてういはらしくないよ?」

「そうだよね」

「病気になってから、もう自分の人生は終わりなんだって思ってた」

「でも、百合に打ち明けてからまだ頑張りたいって思ったの」

「だから、私頑張る」

「抗がん剤治療も、やっぱりやってみる!それで、絶対元気になって学校に戻ってくるから!」

「見ててね!百合!」

「うん。待ってるよ。ずっと」