「ノーラ、きっと似合うよ。早く見てみたいな」

 なんと。ヘンリーも気がついていて、しかも神がかり的な心遣いをみせてきた。

「そ、そうね。短い方が楽だし。ノーラだったらわたしと違ってよく似合うわよ。それなら、わたしももっと短くしようかしら」

 わたしもいっしょに切ってもらえば、ノーラも少しは気が紛れるかもしれない。

「それ以上、短く切ってどうするんだか」

 ヘンリーは、またしてもわたしにだけきこえるよう心遣いをみせてきた。
 
 うるさいわよ。お黙りなさい。

 心の中で怒鳴っておく。

 というわけで、ノーラとともに髪を切ってもらった。