「おれの妻に触れるな」
「イタタタタタッ」

 その瞬間、強面の太短い腕がねじり上げられた。

 コリンである。どこからともなく現れた彼は、強面の腕をねじり上げている。

 エントランスの奥には、クレイグの姿も見える。

「何者だ?」
「隣人だ。コリン・アッシュフィールド公爵。おまえが無礼のかぎりを尽くしているレディは、おれの妻だ」
「は、はなせ。隣人がいったいなんの用だ」

 強面は懇願するけれど、コリンはますます彼の腕をねじり上げる。

「ひいいいいっ! い、痛い」
「弔問だ」

 そして、コリンもまたわたし同様すっきりきっぱりくっきり答えた。