「ヘンリー、ノーラ。騒がしくてごめんなさい。ジェフとクレアも、大丈夫だから」

 叔父の勢いに負けそうになったけれど、みんなに力をもらった気がする。

「わたしは、わたしはウインズレット公爵夫人。コリン・ウインズレットの妻です。夫不在のいま、この屋敷はわたしが守らねばなりません。夫に呼ばれたとおっしゃいましたか? いま、夫は留守です。夫は、留守のときに呼びつけるような真似はしません。夫が留守とわかっていて、わざとおしかけてきたのでしょうけれど、夫がいない以上、一秒たりともここにいる権利は、あなた方にはありません。いますぐ出て行ってください。出て行かないというのでしたら……」
「きいたいか?」