「わかっているわ。しばらくはおとなしくしているつもり。王宮の夜会でヒョコヒョコとアヒル歩きしていたら、それこそみんなの笑いものになるから。わたし自身が笑い者になるのはかまわないけれど、コリンとクレイグとヘンリーとノーラに恥をかかすことになる。それはぜったいにしてはならないことだから」

 コリンにどんな嫌味を言われるか、想像するまでもない。

「それだけではないわね。上流階級って、ムダに暇でしょう? ちょっとした出来事でもこーんなに大きくしてしまうのよ」

 両腕を広げ、すごく大きいことを示す。