「バーナード、コリン。彼女が自分の意思で行きたいと言っているのよ……」
「ミヨ、わかっている。バーナード、いいよな? ノーラには最高のドレスを着てもらって、お茶会で他の貴族たちに自慢するんだ。『うちのノーラです』とな」

 コリンがそう言ったときのノーラのうれしそうな表情は、一生忘れられないかもしれない。

 っていうかコリン、あなたの妻にも最高のドレスを着させてよね?

 もちろん、わたしは大人だから心の中で叫ぶだけにしておいた。

 このとき、わたしたちは知らなかった。

 ノーラの秘密を……。