一花がそう言うと、「じゃあ俺も残るよ」とヨハンが言う。だが、一花が「大丈夫よ、ヨハン」とやんわり断る。

「ヨハン、ラーメン食べたいんでしょ?早く行かないと列できちゃうわ」

そう言われ、ヨハンはラーメン屋の方を見て「うっ」と声を出す。ラーメン屋の前にはすでに列ができ始めていた。

「一花、一人で大丈夫?」

アルオチが心配そうに言う。その目はチラチラと周りを見ていた。その視線の先を見て、桜士はスッと心が冷えていく感覚を覚える。一花を見て何かを話している男性たちが数人いた。恐らく、彼女が一人になった瞬間に声をかけるつもりだろう。

「安心してください。僕が四月一日先生と一緒に残りますから」

桜士がニコリと笑いながらそう言うと、ヨハンが「反対だ!!」と言う。だがすぐにオリバーとリティクに取り押さえられ、「ほら、注文しに行くよ〜」と言われながらテーブルから引き離された。

「Mr.本田が一緒なら安心だな。一花を頼む」