「ゴルフをしながら、交流を深めてもらおうと思ってたんだが、急患に出くわしてダメ」


 昨日、ゴルフ場であったことだ。


「バーのカウンター席だったら、いい雰囲気になるんじゃねーかと思ってたのによ、邪魔者が現れてダメ」


 ここでの出来事ね……


「なぜかいつも、お前がいる」


 先生が白井さんのために、今まで何度もセッティングしてたんだ。


「白井はドクター嫌いだが、市川のことは気に入ってるみたいなんだ」


「そうだったんですか」


「オシャレなメイクや爪を伸ばしてネイルもできない、看護師として夜勤と日勤を繰り返し、フライトナースとしてドクターヘリにまで乗ってる」


「はい……」


「性格はアレだが、白井には幸せになって欲しいんだ」


 先生に、そんな思いがあったなんて知らなかった。


「それに、俺と市川は歳が同じだから、気楽に接することができるしな」


 うそっ、先生と市川さんが同じ歳!


「ちなみに、何歳なのでしょうか……」


 恐る恐る聞いてみる。


「俺たちは30歳だが、なんか文句でもあるのか?」


「いえ、ないです……」