「また、台無しにしやがって……」


「えっ……」


 氏家先生が低音ボイスで言ってくる。

 私の耳元に近づき、吐息が感じられるほど顔が近い。


「ゴルフ場でも、今だって……なかなか、三人そろうことがないのによっ」


「どういうことですか?」


 私の胸はキュンとして苦しかったけど、何だか訳ありみたいな雰囲気。

 ちょっと冷静になってきたけど、相変わらず壁ドンのままで先生の顔が近い!


「白井はな、市川のことが好きなんだ」


「そうなんですか!?」


「アイツは恋愛に不器用で、どうしていいか分からないんだよ」


「はい……」


「俺が一緒にいたら普通に接することができるけど、二人きりだと身構えて何も話せなくなる」


 白井さん、見た目や行動から想像もできないピュアな女性だった。


 まあ、年齢イコール彼氏いない歴の私が、何か言える立場じゃないけど……