挨拶と名刺交換を済ませ、席に着く。


 対座する相手の会社から来たのは二名。

 二人とも役職で女性だった。


 お酒を飲みながら仕事の話しをする。

 話し上手なイケメン男子のサポートもあって、商談は纏まりそう。

 さすが部長、こういうことには気が回る。


 同姓の私が話すより、好感触なのは見て分かった。

 部長はアレだけど、イケメン男子と話すほうが女性は楽しいよね。


 私は積極的に会話へ参加せず、聞き役に回る。

 時間は流れ、取引相手さんもお酒が回ってきた。

 楽しそうに笑顔を見せてるので、もう大丈夫だろう。


 私は会話の流れを見て席を立つ。

 同姓の私は、いないほうがいいと判断。

 みんなが帰ると言い出すまで、カウンター席で一人寂しく待つことにした。


 そんなに飲んでないから、酔ってない。

 と自分では思っていたけど、足下がフラフラしてる。



「あれれ……」