平日の夜でも人が多い、夜の繁華街。

 スーツ姿のサラリーマンが、同僚たちと楽しそうに会話をしながら歩いてる。

 すでに酔って、足下がフラフラな人の姿も。


 ぼーっ、としながら外を見つめてると、目的のビルの前に到着した。

 タクシーを降りて、ビルの中に入るとエレベーターに乗り込む。


「何階ですか?」


 7階に予約したバーがあるらしく、営業1課のイケメン男子の後を付いて歩く。

 仕切ってくれる人がいたら楽だけど、これからも仕事は終わらない。

 会社終わりにお酒を飲むサラリーマン気分ではいられないんだよね……



 バーの店内に入ると、ジャズの音楽が聞こえてくる。

 あまり大きな音量じゃないため、会話に支障も出ない。

 カウンターとボックス席があって、予約していた窓際の席へ誘導された。


 ちょっとクラッシックな雰囲気で、大人の私たちには寛ぎの空間に思える。

 平日の夜だから、店内に人の姿もあまりない。

 ここが、営業1課のイケメン男子、御用達の店かと関心した。



 私たちが椅子に腰を下ろしてすぐ、取引相手の人たちが店内に姿を見せた……