「あの、お見舞いに……」


「邪魔です!」


 白石さん、なんかすごく不機嫌だ。

 私、何か失礼なことでもしたかな……


 氏家先生は、私に構わず社長の体調を聞いて応対してる。

 白井さんも何か一緒にやってるみたいだけど、私に医療の知識がないから分からない。


「それでは、失礼します」


 問診が終わったみたい。

 白井さんも頭を少し下げて、その場を離れる様子。


「あの、氏家先生って本当にお医者さん?」


「いきなり何だ? 意味不明だぜ?」


 歩き出そうとしていた氏家先生を呼び止め、話しを聞こうと思ったのに……

 めんどくさそうな対応で、煙たがられてる。


「だって、作業ツナギを着てるから……先生と用務員の掛け持ちだったりして……」


 周りにいた白いワンピース姿の看護師さんたちが、笑いをこらえてる。