皇城に戻ってきてから喧嘩ひとつしていない。意見の食い違いもない。だとすると知らないうちになにか、精神力を鍛えなければいけないほど、我慢させているのだろうか?
起き上がって膝の上に乗っている、フレッドの左手を取る。
「フレッド。私、なにかした?」
しょんぼりとしながらフレッドに尋ねた。理由がわからないなら、本人から聞くしかない。
「違う、ユーリはなにも悪くない。これは俺の問題なんだ」
「フレッドの問題なら私も一緒に解決したいわ。その、婚約者なんだし……」
恥ずかしさをこらえて、あえて婚約者という言葉を口にする。ずっと専属護衛と主人という関係だったから、まだフレッドが婚約者だということに慣れないのだ。
「あー、ダメだ。ユーリがかわいすぎて……つらい」
そう言ってフレッドは深いため息をつき、右手で顔を覆ってしまった。やはり私が原因らしい。でも『かわりすぎてつらい』とは、どういうことだろうか? 変わり者ということ?
「ごめんなさい、フレッド。ダメなところは直すから、ちゃんと教えてくれる?」
「いや、ちょっ……トドメ刺しにきた?」
「そんな気はないんだけど……あの、ごめんなさい」
「はあ……俺が我慢できないのが悪いんだ」
「だから私が原因なのでしょう?」
起き上がって膝の上に乗っている、フレッドの左手を取る。
「フレッド。私、なにかした?」
しょんぼりとしながらフレッドに尋ねた。理由がわからないなら、本人から聞くしかない。
「違う、ユーリはなにも悪くない。これは俺の問題なんだ」
「フレッドの問題なら私も一緒に解決したいわ。その、婚約者なんだし……」
恥ずかしさをこらえて、あえて婚約者という言葉を口にする。ずっと専属護衛と主人という関係だったから、まだフレッドが婚約者だということに慣れないのだ。
「あー、ダメだ。ユーリがかわいすぎて……つらい」
そう言ってフレッドは深いため息をつき、右手で顔を覆ってしまった。やはり私が原因らしい。でも『かわりすぎてつらい』とは、どういうことだろうか? 変わり者ということ?
「ごめんなさい、フレッド。ダメなところは直すから、ちゃんと教えてくれる?」
「いや、ちょっ……トドメ刺しにきた?」
「そんな気はないんだけど……あの、ごめんなさい」
「はあ……俺が我慢できないのが悪いんだ」
「だから私が原因なのでしょう?」