はっはっはと笑うクリストファー。
「いや待てよ! ラルフも外国をフラフラして結局セレスの元へ戻ってきたのか…さてはあの二人……似てるのか?」
「っやめてっ!! お兄様! ラルフ様の事悪く言わないで! それ以上言ったら絶交だからぁ!!」
涙を滲ませながらバンっと扉を開き、部屋に向かって走り去るセレスティーヌ。母上に見つかり怒られている声が聞こえた。
セレスティーヌが嫁にねぇ…絶交とは、また…
サロモンとは恋愛ではなくとも、いい関係だったように思えていたのに、これも運命なんだろうなぁ…私も小さかったは言え、いつ帰ってくるか分からないラルフに腹が立ち、しばらくは連絡も途絶えた。
婚約をするわけではなく国を出て行ったラルフ、いつ帰ってくるか、生きて帰ってくるかも分からないと子供なのに大人びていた。自分の事もどうなるのか分からないのに、ひとりの人生を狂わせたくないと言っていた。真面目なんだよなぁ。
セレスティーヌにラルフの事を思い出させないようにラルフの話はしなかった、これが意地悪なのか?
邸の噴水を壊しておけば良かったかもな…そしたらラルフとの約束を思い出さなかったか?これは単なる嫌がらせ。
ただいまって……待たせすぎだろ!