知らなかった……だからラルフは国を出て行ったのか……それなのに迎えに来てくれとは……幼かったとは言え何という事を……
「セレスティーヌ? どうした」
「いいえ、自分の愚かさに嫌気が…」
「よくわからないが、話は終わった、行こうか」
「はい、失礼致します」
淑女の礼をして出て行く。
「ラルフ様、幼かったとは言えラルフ様の大事なときに迎えに来てなんて……わたくし自分が恥ずかしいです」
「あの時にセレスティーヌに待ってるから迎えに来てって言われて、小さい子の戯言でも嬉しかったんだよ…待ってくれていなくても、国に帰ったらセレスティーヌに会いたいって思っていた……心の支えだったんだ」
「わたくし約束を忘れていましたのよ、自分の事ながら恨めしいです……なんでこんな大事な事を」
涙を滲ませるセレスティーヌ。
「本当に待ってくれているとは思ってなかったけれど、会った瞬間にまた恋に落ちた、素敵なレディになった、義姉上にも感謝しなくてはね、教育をうけていたんだろ?」
「ラルフ様のお隣に立てる様な淑女になれる様に、がんばりますっ」
ぽんぽんと笑いながら頭を撫でられた。