「……何でサロモンがいる?」
「げっ、叔父上」

「ラルフ様、お待ちしておりました」
 ラルフの元へ駆け寄るセレスティーヌ。

「なぜサロモンがいるんだ?」
「わかりません、勝手に入ってくるみたいです、侵入者です、迷惑しています」

「浮気は許さないと言った」

 耳元で囁かれ、顔が赤くなる。

「私が好きなのはラルフ様だけです」

 イチャイチャする二人を見て

「……帰るよ。セレス、またな!」


 婚約が白紙になり、今では友人? のようになった…婚約者として過ごした十年よりも本音で話し合える様になった二人。


「セレスはサロモンと仲が良いな」

 ラルフがセレスティーヌを見る目が怖い。

「良くないです! すごく迷惑しています」
必死に答える。

「また、とか言っていたな」
「…来てほしくないです」 

「ねぇセレスうち(公爵家)で花嫁修業しないか?」
「…はい、がんばりますっ」

嬉しそうにラルフを見つめるセレスティーヌの頬にそっとキスをする。

「可愛いセレスティーヌ」
 きゅんッと胸が高鳴る……
「ラルフ様…」

 そっと目を瞑るセレスティーヌ。


「へぇ…結婚前のレディがねぇ…」

 振り向くとそこには

「サロモン!」

「忘れ物だよ! 結婚するまで手を出すなって言われて、おまえ俺とはキスもしなかったくせにな!」
「あっ! そこは感謝しますねっ!」
にこりと笑うセレスティーヌ
「おまえなぁ!」
 怒りでプルプルと震えるサロモン。