「サロモン、お前には悪いがセレスティーヌと婚約した、昔から私が愛するのはセレスティーヌなんだ」
「叔父上」

「サロモンが撒いた種だ、セレスティーヌとの別れも、子爵令嬢との別れも! 二人の令嬢の人生を狂わせた罪は重いぞ」
両腕を組みサロモンを睨むエドワール。

「王太子殿下!わたくしは狂わせられたりはしておりません! そこの罪は軽くして下さいね!」
 ラルフと見つめ合あい微笑むセレスティーヌ。


「サロモン、寛大な意見を貰ったぞ」

 エドワールに睨まれるサロモンはまるで蛇に睨まれた蛙の様だ

「……くっ!」


 唇の端をヒクヒクさせるサロモン。

「わるかった、な……セレスティーヌ」


 ラルフとエドワールに、じろりと睨まれるサロモン。

「バイエ侯爵令嬢……寛大なお心遣いに感謝する」

「どういたしまして、サロモン殿下」


「そう言うわけで、お前たち二人はもう一度マナーを学ぶように! セレスティーヌは卒業後叔父上と結婚してアルナンディ公爵夫人となるんだろ? 今まで被っていた猫はどうしたんだ?」

 エドワールに言われ、しゅんとなる。

「……はい、申し訳ございませんでした」
「はぁっ……セレスティーヌを妹にしたかったのに、叔母上になるとはな」

「おい、エドワールと私は二歳しか変わらないんだぞ。叔父上はやめろ、それにこんなに可愛いセレスティーヌを叔母上なんて呼び方をしたら怒るぞ」

 エドワールが苦笑いしながら
「はいはい、分かりましたよ」

 やれやれと言った様子だ

「……セレス今度こそ幸せになれよ、おまえの望んだ真実の愛とやらの相手はラルフなんだろ?」

 クリストファーに頭を撫でられる。

「はいお兄様…」


「これにて一件落着でいいか?」

 エドワールに言われ

「「はい」」と返事をした。