「皆すまない、パーティーの続きを楽しんでくれ、騒がせたお詫びに、今日は私が外国で買い付けた珍しい酒を振る舞うことにしよう」

 侍従に言いつけ、10分足らずで用意された珍しい酒に皆が喜ぶ。


 別室ではセレスティーヌがショックのあまりに泣いていた。


「せっかくラルフ様からプレゼントしていただいたのに……」

「またプレゼントするよ」

「嬉しかったの、素敵なドレスをプレゼントして貰ったのに……」

「セレスティーヌ……」

「ラルフ様と一緒に来られて浮かれていたの、いつもはこんな事にならないのに」

「セレスティーヌ、それは……」


 セレスティーヌの手を取りじっと顔を見る。

「ラルフ様が会いにきてくださってから、ずっとラルフ様の事を考えて……手紙にも書いた通り嬉しくて早く会いたくて……」


「ねぇ、セレスティーヌ、この前の返事を聞いても良い?」

「大事な約束を忘れる様なわたくしでも良いの?」

「思い出してくれただろう? ちゃんとおかえりって言ってくれた」

「わたくしで良いの?」

「ずっとセレスティーヌの事が好きだった。会えない時は早く愛を囁きたいと思っていた。思っていたより長く留守にしてしまったが、やっと言える」