子爵令嬢にドレスの話をされ、デザイナーを紹介したから今回のドレスは前回のものよりだいぶマシになるだろう。デザイナーにも話を通しておいた。全身コーディネートを頼んである。
もしお金が足りない様ならこちらに請求をする様にも密かに頼んである。初回限定サービスだ!
夜会当日、朝から侍女達に全身磨きをかけられ、ラルフから贈られたドレスを身に纏った。
「わぁ!」
「素敵ですわ!」
侍女達から感嘆の声が上がる。
着たことのない色合いのドレス。自分で言うのもなんだけど、姿見に映る自身の姿を見て美しいと思った……
「まぁ! セレスちゃん、すっごく綺麗よ。ラルフ様のセンスが良いのね!」
母が完成の姿を見に来て褒めてくれた。母のセンスはとても良くファッションリーダー的なものであり、母の意見を求める貴族達も多いと聞く。その母が褒めるからにはラルフのセンスは良いのだろう。
「楽しんでらっしゃいね! 私たちも後で行くから」
「はい」
返事をするとラルフが迎えに来たと言われた。母が先にラルフに挨拶に行ったので最終チェックをする。ドキドキする気持ちを抑えながらエントランスに向かう。