「だって殿下の相手はわたくしではありませんもの、ですから、わたくしも愛する人を見つけたいと思って……」

 ラルフを見ると笑っていた。

「変わらないな……セレス、ちっちゃい頃も好きな人と結婚するって言っていたな……」

 くすくすと笑うラルフ。
「えっ! わたくしそんな事言っていましたか?恥かしい……」

 両手で顔を隠すセレスティーヌ、耳まで赤くなっている。

「言っていたよ、ねぇ、セレスティーヌ覚えている? あの時」
「お待たせ! 用意ができた、さぁ、行こう」

 サロモンがセレスティーヌの手を繋ごうとする。

「やめて下さいまし」

「なぜ?」

「サロモン、無闇に女性に触れるな! クリスを呼んでくる、クリス立ち合いの元で話をしろ」