「いや、とても素敵なドレスで似合っているんだが、そんなドレスを見たことがなくて、つい……話があるんだ、来て欲しい」
グイッと腕を掴まれつい腰が引けてしまう。
「サロモン、聞いた話によるとセレスティーヌとの婚約は白紙になったと聞いているんだが……」
ラルフがセレスティーヌからサロモンの腕を離し隣に並んでくれた。
「叔父上……その事で話がしたいんですよ」
「二人ではダメだ!婚約者でもない二人が何を話すと言うんだ……」
「いえ、しかし、」
「セレスティーヌ、君はどうしたいの?」
ラルフに聞かれ
「お話しすることはございません、わたくしは失礼します」
ペコリと頭を下げて立ち去ろうとする。
「二人でなくてもいい話をさせてくれ頼むっ」
必死の形相で言われ、周りの目も気になり渋々了承する事となった。