パーティー当日
「少し大人っぽすぎないかしら……」
セレスティーヌは十七歳である。
出るところは出て引っ込むところは引っ込み甘いものが大好きなセレスティーヌは苦労の末スタイルをキープしている。サロモンと婚約をしている時は控えめなドレスが多かったセレスティーヌに、母が急ぎ仕立ててくれたドレスは胸元が空いている流行りのデザインのものである。
「セレス用意は出来た?」
クリストファーが部屋へと入る。
「お兄様……」
くるりと振り返るセレスティーヌ。
「へぇ、大人っぽいね、とても似合っているよ」
にこりと微笑むクリストファー。
「おかしくない?」
母が仕立ててくれたドレスはシルバーとピンクベージュの優しい色合いのドレスだった。デコルテが強調されセレスティーヌのスタイルの良さが引き立つ。シンプルに見えて洗練されたデザイン。ピンクゴールドの髪の毛はハーフアップでまとめ上げられ若さを引き立てる。
「似合っているよ。我が妹ながらドキッとしたよ」
クリストファーが胸に手を当てて大袈裟に褒める。
「お兄様にそう言われたら勇気が湧いてきます」
ふふふっと嬉しそうに微笑むセレスティーヌ。
「さぁお姫様行きますかね」
そっと腕を出してエスコートの体制だ。
「えぇ、お願いします」