「そういえば、もうすぐテストがあるんだけど、私分からないことばかりで……」

「一緒に勉強するか?私もしなくてはいけないから……」
「うん、嬉しい」

 笑うアニエスは可愛かった。



「これなんて読むの?」

 ……幼児が習うようなものだぞ

「スペルが曖昧で……」

 ……字が汚いな

「計算が得意ではなくて……」

 ………商家で働いていたのに?

「ダンスとマナーなんて細かいことまで怒られて嫌になっちゃう」

 …………そこは必須だ

「刺繍なんて……縫ってあれば良いのに! 細かすぎて疲れるわね!」

 ……………嗜みだ

 心の声と葛藤を繰り返す。


 案の定、アニエスのテストの結果は散々だった……このままだと上の学年に上がるのは難しい、いや無理だ!