木枯くんを待たせないようにしようと小走りになったのがいけなかったのか、

何かにつまずいてこけてしまった。

いてて……。

「ふふっ、いい気味」

「あんたなんかが春に勝てるわけないでしょ」

そう言って笑っているのは、春の取り巻きの二人。

じゃあもしかして……今、足を引っ掛けられた……?

そう理解した途端、一気に頭が真っ白になる。

「おいっ!何してんだ!」

「何って?この子が勝手にこけただけでしょ?」

「そうよ。私たちは何もしてないわ」

木枯くんはそんな女の子たちを一瞥した後、私の腕を掴んで立たせる。

「行くぞ」

「う、うん……」

春が、命令したのかな……?

考えたくないけど、あの女の子たちと仲がいいのは春だから、なかなか