「りょーせー君、おはよう~!」

 凛の大きな声に反応した遼生さんは、私たちに向かって笑顔で手を振り返した。

「おはよう」

 その姿はまるで少年のようで頬が緩む。

 駐車場に入り、車がいないことを確認して凛は私の手を離し、遼生さんのもとへ駆け出した。

「おはよ~!」

 勢いそのままに凛は遼生さんに抱きついた。

 まだ一度しか会ったことがない遼生さんに対し、ここまで甘える凛の姿に驚きを隠せない。

「おはよう、凛ちゃん」

 しっかりと凛を受け止めた遼生さんは、凛を抱っこしたまま立ち上がった。そして追いついた私を見て彼はすぐに凛にも目を向ける。

 それも当然だ、今日の私たち三人の服装は色は違えど、被っているのだから。

「すごいね、ママ。りょーせー君ともお揃いだよ!」

「そ、そうだね」

 動物園に行くということで、私と凛は動きやすいようにGパンにチェックのシャツを合わせてきた。それが遼生さんも全く同じなのだ。

 まるで親子三人でお揃いコーデをしているよう。