「わかったよ。ふたりの邪魔はしないから」

「絶対ね」

「はーい」

 どちらからともなく手を取り合い、凛が大好きなアニメの主題歌を歌いながら岐路に着いた。

 それから二日後の金曜日。この日は明子さんと文博さんの結婚記念日ということで、レストランを予約して私からプレゼントをした。

 ふたりとも喜んでくれて文博さんはスーツを、明子さんはワンピースを着てオシャレをして出かけていった。

「あっこばあとふみじい、キラキラしていたね」

 タクシーに乗って出かけていったふたりを外に出て見送った後、凛が吐息交じりに言うから頬が緩んでしまった。

「そうだね」

 たしかに凛の言う通り、今日のふたりはキラキラと輝いていた。

「それじゃママと凛もそろそろ出かけようか」

「うん!」

 この前、佳那ちゃんが外食しているのを羨ましがっていたから、せっかくの機会だし私と凛も外で食べることにした。もちろん食べるものはハンバーグだ。

「凛ねー、チーズが入ったやつ食べるの。佳那ちゃんがおいしいって言ってたんだ。それとアイスも食べたいなー」

「アイスはハンバーグを食べてから凛のお腹と相談しなくちゃだね。いっぱいだったら食べられないでしょ?」

「そうだね。食べてからだね」

 手を繋いで商店街の端にある洋食店へと向かった。