叔母のように駆け落ちしようと約束までしていたのに、振られてしまったけれど……。叔母は、どんな思いで家族との縁を切ってまで好きな人と一緒になったのだろうか。
ふと気になり、私は昔の記憶を頼りに北海道へと渡った。
それから二ヵ月後――。
「萌ちゃーん、チョコレートケーキができたから、ショーケースに入れてもらってもいい?」
「はい、わかりました」
叔母に言われ、厨房に行くと甘くて美味しそうな匂いでいっぱい。すると叔母の旦那様である叔父の大山文博(おおやま ふみひろ)さんが苺やぶどう、キウイフルーツにオレンジなどがたくさん盛ってあるフルーツタルトを私に見せてくれた。
「萌ちゃん、リクエストのフルーツタルトできたぞ」
「本当ですか? 嬉しい、ありがとうございます!」
「冷蔵庫に入れておくから、休憩中に食べな」と言う文博さんの横で、叔母の明子(あきこ)さんはクスリと笑った。
「もう。文博は本当に萌ちゃんが大好きね」
「萌ちゃんはもう俺たちの娘のようなものだからな」
「たしかにそうね」
そう言って笑うふたりに、温かな気持ちでいっぱいになる。
二ヵ月前、遼生さんに振られた私は記憶を頼りに明子さんのもとにたどり着いた。明子さんは私のことを覚えてくれていて、温かく出迎えてくれたのだ。
さらにこれまでのことを打ち明けたら、「つらかったね。萌ちゃんさえよければいつまでもうちにいていいよ」と言ってくれた。
ふと気になり、私は昔の記憶を頼りに北海道へと渡った。
それから二ヵ月後――。
「萌ちゃーん、チョコレートケーキができたから、ショーケースに入れてもらってもいい?」
「はい、わかりました」
叔母に言われ、厨房に行くと甘くて美味しそうな匂いでいっぱい。すると叔母の旦那様である叔父の大山文博(おおやま ふみひろ)さんが苺やぶどう、キウイフルーツにオレンジなどがたくさん盛ってあるフルーツタルトを私に見せてくれた。
「萌ちゃん、リクエストのフルーツタルトできたぞ」
「本当ですか? 嬉しい、ありがとうございます!」
「冷蔵庫に入れておくから、休憩中に食べな」と言う文博さんの横で、叔母の明子(あきこ)さんはクスリと笑った。
「もう。文博は本当に萌ちゃんが大好きね」
「萌ちゃんはもう俺たちの娘のようなものだからな」
「たしかにそうね」
そう言って笑うふたりに、温かな気持ちでいっぱいになる。
二ヵ月前、遼生さんに振られた私は記憶を頼りに明子さんのもとにたどり着いた。明子さんは私のことを覚えてくれていて、温かく出迎えてくれたのだ。
さらにこれまでのことを打ち明けたら、「つらかったね。萌ちゃんさえよければいつまでもうちにいていいよ」と言ってくれた。