まさか考えたくないけれど……。

 着信拒否された時、相手にはどう聞こえるかを検索する。すると、アナウンスはなくずっと通話中の状態になるという。

「嘘、遼生さんに着信拒否されているの?」

 メッセージは一向に既読が付かないし、ずっと通話中。信じたくないけれど、遼生さんは本気で私と別れたいのかもしれない。

 それでも一縷の望みをかけて終電時間まで改札口の前で待つ。少しずつ行き交う人の数が減っていき、開いていたお店も閉店して明かりが消えていく。

 来ないと頭では理解していても、心がそれを拒否する。だってこんな終わり方ってある? それとも私が気づかなかっただけで、遼生さんの気持ちは離れていたの?

 それなら駆け落ちの約束などせずに別れを切り出してくれたらよかったのに。

 何度もメッセージや電話がかかってきたが、それはすべて両親からだった。やがてスマホの充電は切れてしまい、とうとう零時を回って日付が変わってしまった。

 スマホの充電もしなくてはいけないし、さすがにここで一晩を明かすわけにはいかない。

 腰を上げて近くのネットカフェやビジネスホテルを探す。ちょうど駅前にビジネスホテルがあり、空きもあって泊まることができた。

 荷物を置いてそのままベッドに横たわる。