「これからも萌を喜ばせて、たくさん可愛い笑顔を見たいと思っているから楽しみにしてて」

「じゃあ私も遼生さんを笑顔にするサプライズを頑張って考えますね」

「それは楽しみだな」

 私だって遼生さんが笑ってくれたら嬉しいし、どんなに小さなことでも喜んでくれたら自分のことのように飛び跳ねたくなる。

 これから先の長い人生の中で、小さな幸せも大きな幸せも全部積み重ねていきたいな。そんな願いを抱きながら、私と遼生さんは順調に愛を育んでいった。

 遼生さんが仕事で忙しい時は、彼のマンションに通って身の回りのことをして私にできるサポートをして支えた。

 逆に私が進路に悩んでいた時は親身に相談に乗ってくれて、ミュージカルと同じくらい好きな英語を生かした仕事でもある、翻訳家になりたいという夢を応援してくれた。

 両親には反対されてしまったけれど、遼生さんに「一度きりの人生、やりたいことを見つけられたこと自体奇跡なのだから、夢を叶えるべきだ」と背中を押してくれたこともあって、どうにか両親を説得することに成功し、無事に出版社の文芸翻訳の仕事の内定をもらうことができた。