私が後悔しない未来ってどんな未来なのだろうか。このまま遼生さんに事実を告げずに、ズルズルとそばにいること? それとも彼が離れていくのを覚悟してすべて打ち明けること? なにも言わず、関係を絶つことだろうか。

 答えが出ない問題を出された気分だ。

 少しして凛が目を覚まし、話は一時中断。すぐに凛が「見に行こう」と言い出し、慌ただしく片づけを済ませて展示スペースへと向かった。

 一通り回った頃には十六時を過ぎていた。あたりも薄暗くなってきて、閉園時間が近づいている。

 記念にと買ってもらった大きなホッキョクグマのぬいぐるみを抱っこしながら、凛は遼生さんの腕の中で眠ってしまった。

 遼生さんが運転する車で戻ってきたのは、十九時近くだった。車ではなにかと目立つため、朝同様、公園の駐車場で降ろしてもらった。

「すみません、遼生さん。家まで凛を運んでいただいてしまい」

 断ったものの、遼生さんが凛を家まで運ぶと聞かず、お願いしてしまった。商店街はほとんどの店が十九時前に閉まる。どこもシャッターが下りていた。

「いや、少しでも長い時間萌ちゃんと一緒にいたいから本望だよ」

 サラッと甘い言葉を囁かれ、頬が熱くなる。