飼育員にカメラを向けられ、私たちは初めて三人で写真を撮った。
手洗いを済ませ、時間を確認するとそろそろ十二時になるところ。凛にお腹が空いていないか聞くと、「空いた!」という答えが返ってきた。
「けっこうな時間が経っていたね。お昼はどうしようか、凛ちゃんはなにが食べたい?」
お弁当を作ってきたことを知らない遼生さんは、マップを見て飲食店を探し始めた。そんな遼生さんに凛は得意げに話し出した。
「あのね、りょーせー君。凛とママでねお弁当を作ってきたんだよ」
「え? 本当に?」
びっくりして遼生さんは私を見た。
「そうなんです。いっぱい作ってきたので、よかったら召し上がってくれませんか?」
内緒で作ってきたのはまずかったかな? 昔は手料理に対して抵抗がない人だったから気にしなかったけれど、もしかして記憶を失ってからは誰かが作ったものは食べられなくなったとかはないよね?
なかなか返事がなく、確認しなかったことを後悔していると、遼生さんは口を手で覆った。
「ごめん、びっくりして……。まさか萌ちゃんと凛ちゃんの手作り弁当が食べられるとは夢にも思わなかったから嬉しいよ」
言葉通り、顔を綻ばせた遼生さんに胸がキュッと締めつけられた。
手洗いを済ませ、時間を確認するとそろそろ十二時になるところ。凛にお腹が空いていないか聞くと、「空いた!」という答えが返ってきた。
「けっこうな時間が経っていたね。お昼はどうしようか、凛ちゃんはなにが食べたい?」
お弁当を作ってきたことを知らない遼生さんは、マップを見て飲食店を探し始めた。そんな遼生さんに凛は得意げに話し出した。
「あのね、りょーせー君。凛とママでねお弁当を作ってきたんだよ」
「え? 本当に?」
びっくりして遼生さんは私を見た。
「そうなんです。いっぱい作ってきたので、よかったら召し上がってくれませんか?」
内緒で作ってきたのはまずかったかな? 昔は手料理に対して抵抗がない人だったから気にしなかったけれど、もしかして記憶を失ってからは誰かが作ったものは食べられなくなったとかはないよね?
なかなか返事がなく、確認しなかったことを後悔していると、遼生さんは口を手で覆った。
「ごめん、びっくりして……。まさか萌ちゃんと凛ちゃんの手作り弁当が食べられるとは夢にも思わなかったから嬉しいよ」
言葉通り、顔を綻ばせた遼生さんに胸がキュッと締めつけられた。