「やべぇマジ久しぶり!」

「帰ってきてたなら言えよな~」

「まぁ、待て待て。俺らのことなんてどうでもいいだろうよ。四宮には、わざわざ遠くの高校まで追いかけた愛しのカノジョがいるわけだからな?」

「おい、よく見たら女子と一緒じゃねーか!?」

「……お? ということは?」



 みんなの視線が私に向く。


 え、あ。その愛しのカノジョ、私じゃないです……。


 とっても居心地が悪い。


 早く、ただのいとこだと白状してしまおう。




「――ということはそういうことなんだから、邪魔しないのが友達だと思うんだけど」




 ……、え?


 スイくんが私の肩に手を置いている。


 いや、それはそんな重要じゃなくてね。


 なんで私がスイくんの好きな人みたいな言い方にしちゃうの。


 そっちの方が都合がいいからだって、わかるけど。


 十年間も想ってきて、一瞬でもその枠に私を当てはめてしまうのはどうなのかなって、思うわけなんだよ。


 自分の身に起こってやっと気付いた。


 代わりにするのは、よくないことだ。


 みんなの会話が途端に入ってこない。


 気が付いたときには、スイくんのお友達はいなくなっていて。


 「帰りましょうか」というスイくんの呟きに小さく頷いた。