その日から彼は結婚の『け』の字も口にしなくなった。
 そして、急に子供みたいに甘えだした。

 そして、私に男の影がないかを調べるように一日何をしていたか必ず聞く。メールも忙しいはずなのに昼休みに必ず送ってくる。

 「紫。プレゼントだ」

 「何?どうしたの、一体……」

 私にリボンの付いた長い箱を渡してくる。

 「ネックレス?」

 箱を開けるとチョーカーのようなネックレスが入っていた。