「……話したくない」

 「なんだと?」

 「だから、話したくないの、その理由」

 「お前、喧嘩売ってんのか?理由をきかずに俺が納得するとでも思ってんのかよ?」

 「……別に。私じゃなくても、今だって先生の周りには結婚候補になりそうな人がいっぱいいるじゃん。結婚だけがしたいんならその人達でも大丈夫でしょ。私と違ってすぐに手を上げて結婚したいって言ってくれそうだもん」

 「……」

 言ってからまずいと思ったが遅かった。
 光琉のこんな顔見たことなかった。それくらい、真剣で怖い顔。見ていられなくて、目をそらした。