「せんせ……わるく……ない……わたし……の……せい」

 涙が見える。光琉は、胸がきゅっと捕まれるような苦しさを覚えた。

 「……俺を庇ったのか?あそこで……まさか……」

 光琉は、寝ている紫に覆い被さる。
 顔を頬にくっつけて、熱い紫の身体を抱きしめた。

 「ゆかり……心配するな……お前はただ俺に守られてればいいんだ……何も考えるな」

 あかりは少し開いていた扉からその光景を見た。
 光琉の毛布を持ってきたのだった。

 光琉の背中が震えている。
 紫を抱きしめたまま震えている。