ふたりはそれで別れた。

 光琉は特別室に入った。

 紫を見ると、ぐったりとして眠っている。
 こんなになるまで、我慢したんだな。もともと我慢強いのに、相当苦しかったろう。
 紫の頬を撫でる。

 すると、何か呟いている。
 耳を近づけると声がした。

 「……ちが……う……せんせ……じゃ……ない」

 びっくりした光琉は、紫を見つめて声をかけた。

 「ゆかり、おい、ゆかり……」