「みんな、採点できたー?ちなみに、20点以下は今日放課後居残りね」

え……うそ!!!!


ええええ、そんなぁ。


「ばーか」と後ろから言われる。

その声はもちろん今川君だった。




放課後になると、居残りしていたのはまさかの私だけだった。


「放課後居残り生徒の皆さんへ

少し遅れます。 By北川」


黒板にそう書かれた文字。


…先生の字。私好きだな。


今川君は、私が終わるまで待つって言ってくれて…今現在私の席の隣にいる。


「なんで、ここで私を待つの!?図書館で待っててよー!」

「…そんなに、先生と2人きりになりたい?」

思ってもみなかった答えにびっくりした。


口を開けたまま、ぽかんとしていると今川君がまた笑う。

「な、なななななんで、知ってるの!?」

「結構、わかりやすいけどね」


私、そんなに、わかりやすいことしてたっけ…。

あー、でも顔には出やすいかも。


小さい頃から、顔に気持ちが出やすいねなんて、お母さんに言われてたし…。

「そ、そっか…。あ、このこと先生には内緒ね!!」

「わかってるよ、言う気もないし。」

ほっとした私を見て、、今川君は少し不機嫌になった。

不機嫌になるのも、当然。、

私は、荷物係なのに、その荷物係のせいで帰りが遅くなってるんだから。

そう思っていたら、扉が開いた。

「遅くなってごめん…ってあれ、今川も居残り?今川は、点数よかったよね?」

「紬と一緒に帰るんで。」

つ、つむぎ!?

「ちょ、今川君!?何言って…」

先生に、誤解されちゃうよ!!

でも先生の顔をみると、そうなんだなんて言って、どうでも良さそうだった。


そりゃ、、そうだよね。先生は…舞田先生と付き合ってるんだから…。

どうでもいいよね。こんなこと…。