「はい、みんな、今日は小テストだからね。勉強してきた?」


へ…?小テスト!?聞いてない…。

いや、なんとなく、言ってたような、言ってなかったような…。

慌てていると、それに気づいた後ろの席の今川くんが私の肩をポンポンと叩く。、

「まさか勉強してきてないの?」

「え…先生小テストあること言ってた?」

「うん」

うわああああ!!

完全に私が聞いてないだけだった!!

昨日、私が倒れたときは数学はなかったし、多分初日に言ってたんだろうなーと思った。

小テストが始まると、分からない問題ばかり。

テストが終わると、前後の席どうしで丸つけしてねーと先生が言う。

今川君にテスト用紙を渡すと、10秒も経たずに採点し終わったようで、すぐにプリントが返ってきた。

大きく書かれた数字をみると、そこには5点と書かれていた。

今川君の点数は、まさかの100点。

今川君は後ろで、くすくすと笑っていた。

「うるさいなぁ、いいでしょ!?5点取れただけでも凄いことなんだから!」


と私が言うと、今川君は「はいはい」と、馬鹿にする。