「あんまりいっぱいバイト入れないで欲しいな。」

「え?」

「だって俺と会う時間無くなっちゃうじゃん?週1か週2くらいで、土日はナシね。」

「土日が無理だったら、カフェとか無理じゃない?それに翔馬くんは週4でバイトしてるよね…」

葉月が言うと、翔馬はムッとした。

「俺はデート代とかも稼がなきゃいけないし、大学生で時間あるからいいんだよ。葉月は高校生なんだから勉強する時間が大事でしょ?それに何?俺と会う時間減ってもいいの?」
翔馬の顔は笑っているが、口調はどこか高圧的だ。
「…そんなこと言ってない。」
「カフェが無理なら他探せばいいじゃん。」
「……うん…」

(翔馬くんは間違ったことは言ってない…と思うけど…)

(翔馬くんと会う時間が減る、と、勉強する時間が大事ってなんか矛盾してる気がする…)

(週1じゃパソコンのお金貯まるのに時間かかりそう…)

さっきまでアールグレイの香りがしていたアイスティーの味が急にしなくなった気がした。