「最近お弁当どこで食べてるの?」
「教えない」
「あ、羽生くんらしい。」
手紙付きの弁当も、視線を集める教室では食べられなくなってしまった。
「お弁当作ってくれるかわいい子がいるって宣言しちゃえばいいじゃない。」
「だから、あれはそんなんじゃないって。」
「ふーん…」
(なんでそんなに頑なに認めないんだろう…)
「それにしても、羽生くん本当に料理上手だったね。」
葉月はバーベキューの日を思い出して言った。
「焼きそばもただのソース焼きそばじゃなくてちょっとエスニックっぽくなってて美味しかったし…」
「焼きそばで料理上手って…」
「それに、全然やる気ないのかと思ったらデザートの材料持って来てたし…あれ、超美味しかった。」
葉月は笑顔で言った。
羽生はバーベキューの最後にバナナとリンゴをキャラメリゼして、シナモンを振ったデザートを作ってみせた。
「あれは——いや…まぁいいや。」
羽生は何かを言いかけてやめた。
(モテるのは納得だけど…ちょっとさみしい気もする…)
(いや、ただの隣の席の人として、だよ。)
葉月は翔馬の顔を思い浮かべて、頭の中で言い訳するように言った。
(だって結局、羽生くんがなんで料理が上手いのか、そもそも料理が“好き”なのかどうかもわかんないし、お弁当のことだってよくわかんない。相変わらず放課後はソッコー帰るし。羽生くんのことなんて他の子たちと同じくらい何も知らない…)
「教えない」
「あ、羽生くんらしい。」
手紙付きの弁当も、視線を集める教室では食べられなくなってしまった。
「お弁当作ってくれるかわいい子がいるって宣言しちゃえばいいじゃない。」
「だから、あれはそんなんじゃないって。」
「ふーん…」
(なんでそんなに頑なに認めないんだろう…)
「それにしても、羽生くん本当に料理上手だったね。」
葉月はバーベキューの日を思い出して言った。
「焼きそばもただのソース焼きそばじゃなくてちょっとエスニックっぽくなってて美味しかったし…」
「焼きそばで料理上手って…」
「それに、全然やる気ないのかと思ったらデザートの材料持って来てたし…あれ、超美味しかった。」
葉月は笑顔で言った。
羽生はバーベキューの最後にバナナとリンゴをキャラメリゼして、シナモンを振ったデザートを作ってみせた。
「あれは——いや…まぁいいや。」
羽生は何かを言いかけてやめた。
(モテるのは納得だけど…ちょっとさみしい気もする…)
(いや、ただの隣の席の人として、だよ。)
葉月は翔馬の顔を思い浮かべて、頭の中で言い訳するように言った。
(だって結局、羽生くんがなんで料理が上手いのか、そもそも料理が“好き”なのかどうかもわかんないし、お弁当のことだってよくわかんない。相変わらず放課後はソッコー帰るし。羽生くんのことなんて他の子たちと同じくらい何も知らない…)