「羽生くんのメガネって…」
いつも通り本を読んでいた羽生が葉月の方を見た。
「もしかして伊達メガネ…?」
「………」
面倒そうな表情で黙って本に視線を戻した羽生のメガネをよく見ると、度が入っているメガネに見られるレンズの中と外の顔の輪郭のズレがない。
「なんで!?」
自分が嫌だと思っているメガネをわざわざ度が入っていない状態でかけている人間がいることが不思議で仕方ない。
「…荻田に関係ない。」
「関係なくてもさすがに気になる。」
「女子が指とか耳につけてるのと変わんないだろ。」
「アクセサリーってこと?」
羽生のメガネはファッション的なオシャレなフレームのメガネではなく、真面目そうなフレームのものだ。
「本当に…?私はメガネしたくないけど仕方なくつけてるんだけど…」
「…なんで?」
葉月が溜息まじりにつぶやくと、羽生が珍しく反応した。
「え…」
「なんでメガネしたくないの?」
「え…えっと…自分ではなんかフレームが視界に入って気になるし…それにクソ真面目に見えるって…」
「あぁ、彼氏に言われたんだ。」
羽生がフッと笑った。
「そ、そうだけどっ?」
葉月は“それが何か?”と言うように、彼氏の話題に動揺しないふりをしてみせた。
「似合ってるけど。」
「え」
「荻田、メガネ似合うと思うけど。かわいいよ。」
「………」
羽生が言ったことを理解すると、葉月の顔は一瞬で真っ赤になってしまった。
「その反応ウケる。」
「ウケるって…からかわないでよ…!」
(羽生くんの“かわいい”は間に受けちゃいけないやつだ…)
そう思いながらも、葉月はなんとなくメガネを買って良かったような気がしたし、メガネをかけるのが嫌だった気持ちも消えそうな予感がした。
(料理の本ばっかり読んでて、誰とも連まないで、彼女の手作りらしきお弁当食べてるのに彼女はいないって言って、伊達メガネをかけてる羽生くん…ますます謎だらけ。)
いつも通り本を読んでいた羽生が葉月の方を見た。
「もしかして伊達メガネ…?」
「………」
面倒そうな表情で黙って本に視線を戻した羽生のメガネをよく見ると、度が入っているメガネに見られるレンズの中と外の顔の輪郭のズレがない。
「なんで!?」
自分が嫌だと思っているメガネをわざわざ度が入っていない状態でかけている人間がいることが不思議で仕方ない。
「…荻田に関係ない。」
「関係なくてもさすがに気になる。」
「女子が指とか耳につけてるのと変わんないだろ。」
「アクセサリーってこと?」
羽生のメガネはファッション的なオシャレなフレームのメガネではなく、真面目そうなフレームのものだ。
「本当に…?私はメガネしたくないけど仕方なくつけてるんだけど…」
「…なんで?」
葉月が溜息まじりにつぶやくと、羽生が珍しく反応した。
「え…」
「なんでメガネしたくないの?」
「え…えっと…自分ではなんかフレームが視界に入って気になるし…それにクソ真面目に見えるって…」
「あぁ、彼氏に言われたんだ。」
羽生がフッと笑った。
「そ、そうだけどっ?」
葉月は“それが何か?”と言うように、彼氏の話題に動揺しないふりをしてみせた。
「似合ってるけど。」
「え」
「荻田、メガネ似合うと思うけど。かわいいよ。」
「………」
羽生が言ったことを理解すると、葉月の顔は一瞬で真っ赤になってしまった。
「その反応ウケる。」
「ウケるって…からかわないでよ…!」
(羽生くんの“かわいい”は間に受けちゃいけないやつだ…)
そう思いながらも、葉月はなんとなくメガネを買って良かったような気がしたし、メガネをかけるのが嫌だった気持ちも消えそうな予感がした。
(料理の本ばっかり読んでて、誰とも連まないで、彼女の手作りらしきお弁当食べてるのに彼女はいないって言って、伊達メガネをかけてる羽生くん…ますます謎だらけ。)