ま、いっか。電車が来る頃には、戻ってくるよね?
「はぁ~疲れた……」
ホームの椅子に座る。思い返せば、ずっと走っていた気がする。お化け屋敷の中でも、お化け屋敷を出てからも。
だからか、すごく足が疲れてる。きっと、明日にはふくらはぎがパンパンなんだろうな……。
「喉、渇いたなぁ……」
そう呟いた時だった。
「ほら」
「ひゃう!?」
ピタリと、私の頬に冷たい何かが当たる。見ると、水の入ったペットボトル。どうやら、声宮くんが買ってきてくれたらしい。
「やる。ずっと走って喉が乾いたろ」
「あ、ありがとう……え、あ、お金!」
「いらねーよ。ほら、電車来ちまうぞ。さっさと飲め」