返事をした声宮くんは、それはそれはいい笑顔をしていた。その笑顔が怖すぎるから、むしろ声宮くんがお化けなんじゃないかって思えて来る。

だけど、背に腹は代えられない……。私は、こんな所で一人ぼっちなんて嫌だ!


「て……手を……繋いでください……」

「え?オバケの歩く足音で聞こえなかったな~。そろそろ近くまで来てんじゃね?」

「私と早く手を繋いでください声宮くん!!」


お客さんの近くまで来たら全速力で迫ってくるっていうオバケ!すぐそこまで来てんの!?

そんな恐怖心に耐えられなくなった私は、声宮くんの手をギュッと握る。

まだ、声宮くんの返事を聞いてないのに。ぎゅっと、ぎゅーっと。両手で、声宮くんの手を握り締めた。

すると――


「おい、お前……」