「!」


そういう言い方が、女子の誤解を招くんだって……!なんか、ときめいちゃうじゃん!私の事をそこまで思ってくれてるの?とかって、勘違いしちゃうじゃん。


「た、ただの勝負なのに……そこまでしないくても、」


すると声宮くんは「何言ってんだよ」と私の頭にポンと手を置いた。


「今はデートしてんだ。勝負なんて忘れて、純粋に楽しもーぜ」

「え……」

「お、ガラガラだからすぐ入れるぞ」

「え!?」


声宮くん、勝負の事を忘れてたんだ……。私は、てっきり……。

って!!

早い早い!入場ゲートが、もう目の前にある!本当に誰もいないじゃん!すぐ入れちゃうじゃん!誰か助けてー!

逃げようとする私の手を、声宮くんがグッと掴む。そして入場ゲートに並びながら「楽しみだなぁ」なんてニコニコ笑顔。え、笑顔!レアだ……!

じゃなくて!


「次の方、どうぞ~」