「だ、だって……」

「これからデートなんだぞ?ほら、手よこせよ。いくら汗っかきでも、俺は気にしねーよ」

「(遠回しに”汗ばんでる”って言われてる!)」


やっぱり汗の事に気づかれてた!と思うと、妙に恥ずかしくなって。私は、自分の両手を胸の前でギュッと握る。

ふっふっふ。これで手は繋げまい……!

そんな悪あがきをした私を見た声宮くん。お決まりのため息を、これでもかと深くついた。


「はぁ~仕方ねぇな。じゃあ、アレ行くか」

「あ、あれ……?」


不思議がる私を見て、声宮くんはニッと笑った。その顔に不安になったのは、言うまでもないよね……!


「ど、どこに行くの!?」