「ゆ、遊園地!?」
「そー。やっぱデートって言ったら、ここだよな」
「にしても、なんでメガネと帽子?」
「俺は人気声優として顔バレしてるからな。変装だっての」
「(変装さえもサマになるって……腹立つな)」
そんなこんなで着いた先は、遊園地。
平日の夕方近くだというのに、遊園地は賑わっていた。主にカップルで。
「(他の人が見たら、私と声宮くんも彼氏彼女に見えるのかな……?)」
そう思うと手汗がジットリ出てきた。しまった、冷や汗が……!
声宮くんに「きったねー」なんて言われないために、繋がっている手をすぐに離す。すると声宮くんは、ムッとして顔で私の名前を呼んだ。
「おい、芽衣。なに手を離してんだよ」